数十年前の卒園・卒業アルバムといえば、布地の表紙に金の箔押しが当たり前でした。
現在では印刷技術が進み『印刷表紙』といったカジュアルな表紙が一般的になりつつあります。
でも、昔も今もその良さが変わらないのが『上製本』です。
上製本とは
上製本とは、表紙とページ部分を別々に仕立ててから製本することです。
ページよりも一回り大きいサイズの表紙で製本されていて、表紙が分厚くなっていることが特徴です。
一般的にはハードカバーと呼ばれています。
上製本と貼り合わせが卒業アルバムのスタンダード
こちらの写真は、ページに『貼り合わせ製本』を採用した上製本です。
ページを貼り合わせしていると、写真のように180度に平らに開くのが特徴です。
写真の印刷面の裏側同士をのり付けしているため紙2枚分の厚みがあり頑丈で、見た目の通り、フルフラットとも呼ばれます。
上製本と貼り合わせのメリット
- 中央(折り目付近)の印刷がしっかり見える
- 数人でも同時に見やすい
- 丈夫なので何十年も保管できる
上製本の表紙
表紙は『ボール紙』という、紙の中でもかなり厚い板紙を印刷用紙や布でくるんで作られます。
ページよりも紙が厚く、サイズも大きいことがわかります。
別々の工程で作られた表紙と中面を最後に繋ぎ合わせるのが『見返し』と呼ばれるパーツです。
中紙と表紙は『見返し』で繋がれます
見返しにはよくモノクロ写真が印刷されます。アルバムの中では、お世話になった園庭や校舎の写真、全クラスの集合写真、人文字を捉えた航空写真などなど、思い出が蘇るきっかけとなる重要な役割を果たすページでもあります。
見返しへの印刷は有料オプションになる場合が多いので、料金確認はお忘れなく。
上製本でも中紙が薄いものも
上製本でもこのように中面の紙厚が少し薄めのタイプもあります。
この場合、貼り合わせ製本ではなく両面印刷になります。 写真のページ数が多い場合、貼り合わせ製本では数キロもの重さになり持ち運びが非常に不便です。状況に合わせて、中面のタイプを選択すると良いでしょう。
ただし、画像のようにページ中央がたわんで見えづらくなりデザインの自由度が落ちることと、ページの丈夫さは貼り合わせよりも落ちることがデメリットです。
紙の厚さによっては、蛍光灯の下では裏のページの印刷が透けて見えることがあります。許容範囲内かどうかは、サンプルでの確認をオススメします。
まとめ
中面の紙厚が薄くても厚くても、上製本であれば頑丈な表紙が中面の折れや破損を防いでくれるので、まさにアルバムにふさわしい製本方法と言えるでしょう。 もし、古いアルバムをお持ちでしたら製本方法を確認してみてください。長期間品質が保たれているなら、きっとそれは上製本のはずです。